高次脳機能障害とは？高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害をご存知でしょうか？

 

「見えない障害」または「隠れた障害」などとも言われています。

 

高次脳機能障害になる原因とは？

 

事故や病気などによる脳の損傷が原因で脳の機能のうち言語や記憶
注意、感情などの認知機能に起こる障害を「高次脳機能障害」と言います。

では高次脳機能障害になる原因とは何があるのでしょうか？

 

・脳の血管が詰まったり、切れたりする脳梗塞、くも膜下出血、脳出血などが原因。

・炎症を起こしたり、酸素が不足しておこるヘルペス脳炎、ウィルス脳炎などが原因。

・事故により傷つき、圧迫されたことによっておこる脳内出血、脳挫傷などが原因。

 

 

 

高次脳機能障害の特徴

 

身体の障害とは違うので周りの人がわかりずらい。理解してもらいにくい。

診察時や入院時よりも、自宅にいての日常生活や社会生活時に（職場や交通機関の利用、
何かの手続きをしている時など）症状としてでることが多い。

 

高次脳機能障害の症状

 

高次脳機能障害にはいくつもの症状があります。

たとえば記憶障害、さっき話していたことや、やっていたことを
忘れてしまう、覚えていない。

 

その他はどんなものがあるのでしょうか？

 

・注意障害
簡単なミスが多い、あちこち気が散りやすい。

 

・地誌的障害
場所の認識の障害であり、馴染みのある場所でも目的にたどり着けない。

 

・遂行機能障害
生活する中で必要な情報を整理したり、計画を立て処理する作業が難しい。
段取りが悪かったり、計画通り行動できなかったり、急な変更や、いつも
と違うことが苦手。

 

・行動と情緒の障害
感情と意欲のコントロールが上手にできない、状況に適した行動をとる
ことが難しい。混乱してパニックを起こしやすかったり、一つのことに
こだわり続けたり、周囲に対しての気配りができなかったりする。

 

・発動性・自発性の低下
行動するまでに時間がかかったり、周囲のことに関心がなくなる。

 

・知的機能・思考能力の低下
難しい話が理解できなかったり、その場の状況にあった判断ができない。

 

私の弟も、くも膜下出血による後遺症で高次脳機能障害を患っています。

小さな会社ですが、弟は会社の代表取締役でもあります。

くも膜下出血で一時は危なかったのですが、どうにか命はとりとめ社会復帰ができるようになって良かったと喜ぶ反面、後遺症として「高次脳機能障害」を患ってしまいました。

体に障害があるわけではないので他の人からは理解されずらく、仕事を続けるには周囲の理解がないと難しいのが現状です。

 

約束していたことを忘れてしまったり、時間管理も難しいところがあります。

身内である人間でさえも理解しづらい面もあるので、「高次脳機能障害」の
ことを知らない人であれば尚更、理解できない言動、行動だと思います。

 

私も最初のころは、大好きな弟が病気になってから変わってしまったことでショックでした。弟が、まるで違う人間になってしまったようで悲しかったことを覚えています。

昔とは変わってしまった弟に戸惑い、理解できないことばかりでした。

そのことで私自身も精神的に落ち込み、自分自身を見失いそうになる時期もありました。

社長であるのに、長男なのに、昔は優しく情のある弟だったのに、こんなこと言わなかった、そんな行動しなかった・・など理解できないことばかりでした。

 

仕事も一緒にしていて共にする時間も長かったせいもあり、毎日、葛藤に苦しみました。

「弟が一番辛いはずだ」

「病気の後遺症で仕方ない」

自分に言い聞かせても毎日の生活のなかでは、そう思えない現状が繰り広げられ、戸惑い、ショックをうけたり、不安になったりしました。理解しているであろう身内でも
理解できないことが沢山でてきます。

まして身内でない他の人や、障害を理解していない人からみたら
いい加減に見えたり、子供のような言動にイライラしてしまったり
理解しづらいことが多いかと思います。

 

それでも弟はこれから先も仕事もしなければいけないし、生きていかなければなりません。仕事上では少しでもミスをなくすためにメモ魔に徹したり、まめにメモやスケジュール帳をチェックするようにしたり、準備などは時間に余裕をもつなど、本人が気をつける、周りで関わる人は１つ、１つ確認を取ってあげたり、約束事などは本人に確認の連絡をしてあげたりなど、本人は勿論、周りも協力、理解し二人三脚で生きていくことが大切だと思っています。

 

「社長、すぐ忘れちゃうんだよね・・」

「自分でさっき言っておいてこうなんだから」

「まったくいつもこんなんで・・」

周りから理解できないという言葉をたくさん聞かされてきました。

これから先も同じでしょうけれど
それでも私たちは毎日を過ごしていきます
「高次脳機能障害」と共に・・・。

 

1人でも多くの人に「高次脳機能障害」のことを知ってもらうことが
この障害をかかえている人の理解につながると思うので今回はこの「高次脳機能障害」
のことをまとめてみました。

世の中には目に見えない障害を抱えている人もいるということを
知っていただけたら幸いです。